災害事例

No.1 日陰のない作業場所で熱中症を発症

  • 工事の種類:鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋等建築工事
  • 職種:鉄筋工
  • 起因物:高温・低温物との接触
  • 作業の概要:梁・柱鉄筋組立作業

発生状況

作業終了後、退所しようとしていたところ、体の不調を感じ、そのまま休憩場所で休んでいたが、意識を失い救急搬送をした。

(被災程度:休業8日)

「原因」と「再発防止対策」を、災害発生要因の4M分類(人的・設備的・作業的・管理的)で検討してみましょう。

原因と再発防止対策の例

  原因 再発防止対策
人的 水分と塩分の摂取が不足していた。 のどの渇きに関する自覚症状の有無にかかわらず、水分と塩分の定期的な摂取を行う。
設備的 作業場所は日陰を設けることができず炎天下であった。 暑さ指数(WBGT)が高い暑熱環境下で作業を行う場合には、送風設備の設置、身体を冷却する機能をもつ服の着用、作業開始前・休憩時間中のプレクーリングを行う。
作業的 朝から継続して作業強度の高い作業を行っていたため、疲労が蓄積していた。 あらかじめ定めるWBGT基準値と、作業場所の厚さ指数(WBGT)の結果を評価し、最低でも1時間当たり15分以上の休憩をとる。また、WBGT基準値を大幅に超える場合には作業中止を検討する。
管理的 職長の体調確認と判断および元請への連絡が遅かった。
  • 熱中症の発症は個人差があることから、事前に健康診断結果を把握するとともに、健康KYにより当日の健康状態を確認する。また、現場巡視を頻繁に行い、作業中の労働者の健康状態を確認する。
  • 本人や周りの人が少しでも異常を感じた場合には、病院への搬送や救急隊の要請を行う。

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