No.2 炎天下で草刈り作業中に熱中症を発症
- 工事の種類:土地整理土木工事
- 職種:土木作業員(25歳)
- 起因物:高温・低温環境
- 作業の概要:工事予定場所の草刈り作業
発生状況
現場事務所建て方準備のため、朝から予定地周辺の草を刈払機で刈り取っていた。
10時には体調に違和感を覚えたがそのまま作業を続け、11時半頃には立っているのもやっとの状態になり、職長に申告後すぐに病院に行き、熱中症と診断された。
(被災程度:不休)
「原因」と「再発防止対策」を、災害発生要因の4M分類(人的・設備的・作業的・管理的)で検討してみましょう。
原因と再発防止対策の例
|
原因 |
再発防止対策 |
人的 |
- 小まめな給水や塩分補給、休息を取らずに作業を行った。
- 体調不良を自覚していたにもかかわらず、作業を継続した。
|
- 自覚症状にかかわらず、小まめな給水や塩分を補給し、休息をとる。
- 体調不良を自覚した時には、その時点で作業を止めて休息を取り、現場の職長等に相談する。
|
設備的 |
- 日よけや給水場所等が備え付けられていなかった。
- WBGT 値測定器を設置していなかった。
|
- 日よけや給水場所等を早めに準備するなど、暑熱環境から労働者を守る対策を講じる。
- 暑くなる前からWBGT 値測定器を準備し、測定を行う。
|
作業的 |
朝から暑くなる予報だったが、連日の暑さから、特に誰も注意をしなかった。(作業当日は最高気温32℃) |
夏期の屋外作業の前には必ず体調確認を行い、作業中も作業者に対して声掛けを行い、体調不良者を早期に見つける。 |
管理的 |
- 作業計画や作業手順書に、WBGT 値等を活用した熱中症予防対策を講じていなかった。
- 熱中症に対する労働衛生教育を実施していなかった。
|
- WBGT 値測定器を活用し、暑さ指数が28℃を超えた場合には厳重警戒を職長に通知するなど、計画的な対策を行う。
- 作業員に熱中症に対する教育を行い、熱中症予防管理者を選任するなど、組織的な熱中症予防体制を整える。また、朝礼等で繰り返し教育を行う。
|