建設従事者教育 -不安全行動防止のために-

不安全行動を減少させる

建設工事における労働災害の防止を徹底するためには、建設工事における元方事業者、関係請負人等の事業者が労働災害を防止するための措置を確実に実施するとともに、建設工事現場で働く作業員も労働災害防止の重要性を認識し、事業者が行う措置に応じて必要な事項を遵守し、労働災害防止活動に積極的に協力することが重要です。

とりわけ、作業員の不安全行動等を防止する観点からすると、事業者は、作業員が守らなければならない労働安全衛生法等に示されている遵守事項の基本的な事項を周知する必要があります。

建設業における労働災害が着実に減少傾向にある昨今においては、「災害」や「労働災害」といったキーワードが、どこか遠い存在になりつつあるのではないでしょうか。それゆえに、「このくらいは大丈夫」や「みんながやっているから」などの安易な不安全行動に繋がるものと推測できます。
建設従事者教育は、不安全行動等の防止を目的として、専門機関である建設業労働災害防止協会の都道府県支部が、事業者に代わって安全衛生教育を実施いたします。

近道行為
近道行為
省略行為

危険を体感し、日々の安全作業に生かしましょう

建災防が策定した「建設工事に従事する労働者に対する安全衛生教育に関する指針(以下、「本指針」という。)」に基づく「建設従事者教育」は、実技体験の科目に力を入れたカリキュラムになっております。

建設従事者教育は、日々作業されている建設現場において実施しますので、自身の作業においてどのような危険が潜んでいるか作業員の方々に身をもってご理解いただけると思います。
本教育の特徴である実技体験訓練を通じ、作業員の危険への感受性を高めることで、事業者が行う不安全行動防止のための様々な措置について更なる効果が期待できます。

また、不安全行動は作業の慣れなどからも発生しますので、作業員の方々の理解の状況に応じて、本教育を定期的に繰り返し実施することが、安全意識の向上に有効であると考えます。

建設従事者教育の実技体験訓練の実施例

土砂崩壊の怖さを体験
重機の死角等確認
フルハーネス型安全帯のぶら下がり体験
指針(PDF)
建設従事者教育カリキュラム(PDF)

行政機関等が建設従事者教育を推奨、さらに建設従事者教育の実施を評価

厚生労働省

平成15 年3 月に建災防が策定した本指針に基づく「建設従事者教育」について、建設業における労働災害を防止する上で、当該教育の普及が重要であるとし、都道府県労働局長宛に通達を発出する他、建設工事関係者連絡会議において、発注者等への周知が図られています。

国土交通省

本指針に基づく建設従事者教育の必要性について、同省地方整備局等の関係機関に通達が発出されるとともに、建災防会長宛にも建設従事者教育の実施について協力要請の通達があった他、国土交通省発注の工事では、施工業者が建設従事者教育を実施した場合、工事成績評価において「創意工夫・安全衛生」の項目で2 点が加点されています。また、都道府県や市町村においても国にならい、評価、加点しているところがあります。
詳しくは、各発注機関にご確認ください。

厚生労働省

内容発出日
建設工事に従事する労働者に対する安全衛生教育について(PDF) 基安発第0325001号
平成15年3月25日
労働災害のない職場づくりに向けた緊急要請について(PDF) 基安発0805第1号
平成26年8月5日
平成29年度の建設業における安全衛生対策の推進に係る協力要請について(PDF) 基安安発0313第3号
基安労発0313第4号
基安化発0313第4号
平成29年3月13日

国土交通省

内容発出日
平成25年度における建設工事事故防止のための重点対策の実施について(PDF) 国官技第334号の2
平成25年3月29日
建設業における労働災害防止対策について(PDF) 国官技第129の2号
平成26年8月29日
建設業における労働災害防止対策について(PDF) 国土建第106号
平成26年9月2日
公共工事発注者等の評価項目一覧(PDF)

建設従事者教育の実施

実施のご依頼は

建設従事者教育は、唯一の専門機関である建災防都道府県支部が実施いたします。
教育内容につきましては、工事内容や作業内容などに応じて、ご依頼いただきました事業者と協議の上で決定いたします。
まずは、料金、受講人数、実施時期など都道府県支部へご相談ください。

都道府県支部のご案内
実施依頼書(PDF)

建設従事者教育実施の流れ

関係者の声

建災防では本指針を策定した平成15年3月以降、建設従事者教育を9,922回実施し、延べ195,062名(令和2年度時点)の方々にご受講いただいております。
ここでは、関係者の方々から頂戴しましたご意見・感想等をご紹介いたします。

依頼された現場所長の声

  • 実技訓練が2時間あり、ひとり一人体験できたのは良かった。
  • ありきたりの教育ではなく、普段使用している機械を用いての教育であったので、身をもって何が危険なのか勉強できた。
  • 普段このような機会はないので、今回の訓練はとても良い勉強になりました。このような訓練の場を設けることは作業員の意識向上に加え、現場での一体感に大きくつながるので、大変有意義だと思います。
  • 月1回の半日教育に水平展開してくことにより、大きな期待が持てる。同じ作業員に何回でも繰り返し教育していきたい。
  • 今回の教育を行ったことで、施主様からの評価が高まったことは、請け負う身としては素直にうれしい。

受講された作業員の声

  • いつも当たり前のこととして行動していたが、今回の教育を受けて意外にも危険な行動であったということに気づき、安全の基本を学ぶことができた。
  • 教育を受けて改めて安全の大切さを学習できた。現場にいると忙しさの中で安全という部分を忘れがちになるが、教育を受けたことを機に日々の安全作業を心掛けたい。

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