『吊荷旋回制御装置』は、ジャイロトルクによる吊荷の方向制御の能動制御にカラートラッキング手法を用いて、吊荷を目的の位置で正確に静止させられる装置である。(図1)
ジャイロ機構を用いた旋回制御方法に、受動制御と能動制御がある。受動制御は、外力で吊荷がz軸回り回転させられると、ジンバル軸(y軸)が回転し、吊荷の旋回を抑制する。
能動制御は、ジンバル軸(y軸)を回転させることで、吊荷をz軸方向に旋回させる。(図2)
部材取付け位置の角度については、タワークレーンジブトップのカメラ画像をもとにタッチパネル上で、部材取付け位置の両端と吊荷の両端ををタップするだけで、カラートラッキング手法を用いることにより把握し、取り付け位置と吊荷の実測位置から吊荷旋回角の演算し、演算結果からジンバル軸を傾斜させ、吊荷を取付位置と平行に旋回制御を行う。(図3)
『吊荷旋回制御装置』を使用する事で、風やクレーンの動きに伴う慣性力等外力により吊荷が旋回し、吊荷の衝突や破損等防止する事が出来るため、揚重作業の安全性と作業効率が向上する。
また、取り付け位置付近に吊荷が到着後旋回を行うのではなく、揚重中に旋回し、屋外の状況にかかわらずカラートラッキング手法を用いて、最終位置の調整、姿勢保持を行いながら部材の取り付けを行う事が可能であり、作業時間の短縮が可能。
吊荷定格慣性モーメントは75t・m²を有しているため、15秒で10tの部材を90°旋回させる事が可能である。
タワークレーンの選定時に、本装置荷重を考慮する。
衛星測位データによる建設機械の自動運転
登録番号 | 11-4 |
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活用分類 | 無人化・省力化 |
適用工事 |
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作業 | 吊部材を取り付け位置の方向に旋回させるには、介錯ロープを用いる。 本装置は、取り付け位置をタワークレーンの田モニター画面をタップすることで、吊部材は自動で取り付け方向に旋回する。 また、風などの外力に対しても本装置が抵抗し、吊部材が振られることはない。 |
活用実績(件数又は現場数) | 3現場 |
特許・実用新案 | 特許:有 実用新案:無 |
当該技術所有企業 | [技術の所有権] 自社 [販売] 他社 |
第三者評価・表彰等 | 平成30年度日本建設機械施工大賞・大賞部門選考委員会賞 |
掲載日 | 2019年4月15日 |
【カテゴリ】
戸田建設株式会社 技術開発センター
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