シールド工事は、都市部の地下を長距離に渡って掘削し、地盤を支えるセグメントを組み立ててトンネルを構築するため、常に移動するシールドマシンの位置を正確に把握することが重要である。しかし、シールドマシンの位置は、図面上にプロットしたデータなどを元に定期的に確認しており、リアルタイムに正確な位置は把握できなかった。また様々な施工管理情報を紙媒体で項目毎に記録・保管しているため、必要なデータを迅速に検索、確認できないという課題があった。
そこで、当社では、シールド工事における施工管理情報・記録を統合し、見える化したCIMシステム「T-CIM®/Shield」を構築し運営活用した。
シールド工事におけるシールドマシンの発進から現在掘進完了している箇所までの施工データを一元管理し、事務所で容易に施工状況を把握できるシステムである。本システムは、初期に入力する「基本情報図面」をベースに「シールドマシンの位置情報」や「セグメント製品情報」などの情報を読み込みさせることで、リアルタイムに「施工状況」や「施工情報をひとつの画面から確認することができる。「可視化システム」として「平面図表示」「縦断図表示」「セグメント断面表示」「掘削断面表示」の4機能がある。
(1) シールドマシンの現在位置をモニター画面により自由な縮尺で表示・確認し、近接した既設交通施設やインフラ設備などの近接構造物との位置関係を正確に把握できる。併せて、刻々と変化する土層断面データもリアルタイムに表示し、現状の掘削土層と今後出現する土層の状況を正確に把握できる。
(2) 横断図として画面表示されるセグメント情報には、セグメントリング毎にシールドマシン掘進時の測定データや施工記録のほか、セグメント図面や組立記録、品質管理記録などが紐付けされ、パソコンで一元管理しているため、過去の施工情報や記録を容易に取り出せる。
(3) 「シールドトンネル工事に係る安全対策ガイドライン」(平成29年3月厚生労働省発表)に記載されているセグメントのひび割れ、継手の損傷、漏水などの継続的なモニタリングについて、本システムでは各セグメント組立後の上記の状態をタブレット端末によりスケッチや写真撮影で保存し、安全対策にも適切に対応できる。
(4) シールドマシンの現在位置と掘進状況は、インターネット経由で情報端末などにより場所を問わずリアルタイムに把握でき、工事関係者だけでなく発注者とも情報を共有できる。
シールド工事の情報化施工システムとして汎用的に利用している株式会社演算工房の「掘進管理システム【ARiGATAYA】」のサブシステムとして運用するため、「掘進管理システム【ARiGATAYA】」の導入が必要である。
登録番号 | 15-9 |
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活用分類 | 無人化・省力化 |
適用工事 |
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作業 | ①平面図・断面図・縦断図の入力 ②施工Ring毎のデータ入力 |
活用実績(件数又は現場数) | 3件 |
特許・実用新案 | 特許:有 実用新案:無 |
当該技術所有企業 | [技術の所有権] 自社 [販売] 他社:(株式会社演算工房) |
当該事例紹介ウェブサイト | http://www.taisei.co.jp/ |
掲載日 | 2019年4月15日 |
【カテゴリ】
大成建設株式会社 横浜支店 北西線シールド
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