トンネル切羽地質の走向・傾斜測定システム

[ICT研究開発事例]トンネル切羽地質の走向・傾斜測定システム

概要・活用方法

①概要:トンネル切羽面に現れた岩盤の不連続面(節理,層理等)の走向・傾斜を,安全かつ容易な方法で測定するシステムである(図1).測定は,掘削直後の素掘り面から離れた安全な場所において,タブレット端末でトータルステーションを操作し,不連続面の3次元座標を測量することにより行い,その場で即座に走向・傾斜を表示し確認できる.測定されたデータは,測定時の情報(測定日時,測点,測定位置,座標等)と共にシステム内に保存され,データ蓄積が可能である.
②活用方法:切羽面に現れた不連続面に対して,タブレット端末を操作しトータルステーションのレーザーを誘導し(図2),不連続面上の3点を自動で3次元測量を行う.得られた3次元座標値から走向・傾斜が算出され,その場で測定結果がタブレット端末上で表示される(図3).タブレット端末に表示される走向・傾斜情報は,「北方向を基準とした公共座標系」,「トンネル掘削方向を基準としたトンネル座標系」の2種類で示され,トンネル全体の地質構造の把握および既往地質調査資料との対比等に用いたり,現場に従事するトンネル技術者が直感的で容易に岩盤面の姿勢(流れ目や差し目等)を理解できる.

特徴・効果

従来の走向・傾斜測定は,測定者が素掘り状態の切羽面に再接近したり,クリノメーターを切羽面に直接当てるなど,測定者自身の安全性に問題があった.
本システムによる走向・傾斜測定は,素掘り状態の切羽面に近づくことなく,容易に不連続面の走向・傾斜の測定が可能であり,測定作業の安全性が格段に向上する.また,測定データがその場で得られることから,即時に切羽作業員の危険予知にも活かす事ができる.その場で得られる測定結果は,「北方向を基準とした公共座標系」,「トンネル掘削方向を基準としたトンネル座標系」の2種類で示され,現場に従事するトンネル技術者が直感的で容易に岩盤面の姿勢(流れ目や差し目等)を理解できる.さらに,測定データは,測定時の情報(測定日時,測点,測定位置,座標等)と共にデジタルデータ化できるため,データ蓄積を行うことにより,維持管理上必要となる地質情報としての活用も期待できる.

活用上の注意点

・本システムは,マック(株)との共同開発であるため,マック(株)のレーザー測量システムの導入を前提としている.
・測定作業は,従来の坑内測量や計測作業時の安全管理と同様の配慮が必要である.

対象とする主な対策(本質安全化)

  • [危険作業対策]トンネル切羽作業
登録番号 10-15
活用分類 無人化・省力化
適用工事
  • 【土木工事】
    山岳トンネル工事
作業 ①トンネル切羽面の観察・調査
②岩盤不連続面の走向・傾斜の測定
特許・実用新案 特許:申請中
実用新案:無
第三者評価・表彰等 特に無し
関連資料 関連資料(PDF)
掲載日 2019年9月 4日

【カテゴリ】

  • [活用分類]無人化・省力化
  • [土木工事]山岳トンネル工事
  • [抑止可能なリスク(災害の種類)]崩壊
  • [危険作業対策]トンネル切羽作業
  • [ICT関連]タブレット・スマートフォン/計測・測位・変位

企業情報

鉄建建設株式会社 安全推進室

ご担当者名
細谷浩昭
お電話でお問い合わせの方は
03-3221-2177

<当サイトの利用に関連する保証及び責任について>

当協会は、当サイトに最新の正確な情報を掲載するよう努力しますが、この情報の正確性、安全性、適切性について責任を負わず、保証するものではありません。

当サイト及び当サイトからリンクされているサイトへのアクセス及び利用する方は、自己の責任及び善良なる管理者の注意義務に基づき利用することに同意したとみなします。

当協会は、当サイト及び当サイトからリンクされているサイトの利用、アクセス又はアクセス不能の結果生じる損害及び当サイトの情報の誤謬を信頼した結果生じる損害について責任を負いません。

当サイトを活用して行う建設工事については、いうまでもなく、各事業者において、法令遵守、安全第一をもって工事の施工を行ってください。

ホピーくんTOP