トンネル工事は閉鎖された空間の中で、常時、大型重機を使用する作業形態であり、重機接触災害や肌落ち(崩落)災害など重篤災害に発展する危険性が高く、災害発生時は被災者への的確な救護活動が必要となります。また、特に坑内火災発生時には、充満する煙で視界が遮られるため、冷静で迅速な避難が求められます。
そこで、本ソフトは、VR技術を活用して、トンネル工事(NATM工法※1)の3D-CG空間内を自由に行動しながら、安全教育を体験することができるツールとなります。「バーチャルNATM」は、仮想現実の中で、事故の発生原因となりうる不安全行動、不安全状態に気づき、指摘する役割を担い学習するとともに、自らがトンネル工事で想定される災害に巻き込まれた状況を疑似体験することができます。「バーチャルNATM-TR」は、災害発生時の救護手順や火災発生時の避難手順を学習できるとともに、トンネル坑内に設置してある各種安全設備について、設置場所・関係法令を確認することができます(図1、図2)。
この両ソフトは、リアリティーのある臨場体験のもとで、トンネル工事に特化した安全教育をより効率的・効果的に実施するために開発しました。
※1 一般的なトンネル施工技術の種別
①トンネル内でのリアリティーのある疑似体験
建設工事の中でも特殊なトンネル工事の安全教育は、座学では理解が難しい面がありますが、3D-CG空間内でリアルに発生する不安全行動、ヒヤリハット、災害、火災を疑似体験できる本システムは、技術者や坑夫(トンネル作業員)を含むトンネル工事関係者の安全意識の向上、非常時の行動力向上に威力を発揮します。
②疑似体験の共有により客観的な指導も可能
ヘッドマウントディスプレイをつけて体験者が視覚する画像は専用PCにより常時モニターで確認できるため、第三者が疑似体験の状況をチェックすることができ、客観的な目線で教育・指導をすることができるツールとして活用できます。
・ソフト使用には専用のVR機材と以下の性能を満足するパソコンが必要です。
Processor:Intel® Core™ i5-4590 or AMD FX™ 8350 の同等品またそれ以上
GPU:NVIDIA® GeForce® GTX 970 or AMD Radeon™ R9 290 同等品またそれ以上
メモリ:4 GB RAM以上
映像出力:DisplayPort 1.2 以降
USB ports:USB 3.0 以降 1口
OS:Windows® 7, Windows® 8.1 or later, Windows® 10
・VRを体験するためのスペース(3m×3m程度)が必要です。
・長時間使用すると気分が悪くなることがあります。
登録番号 | 11-14 |
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活用分類 | 能力支援等 |
適用工事 |
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作業 | バーチャルNATM・・・トンネル掘削における通路、切羽、インバート、覆工作業の安全教育 バーチャルNATM-TR・・・坑内設備確認、災害救護訓練、火災避難訓練の安全教育 |
特許・実用新案 | 特許:無 実用新案:無 |
当該事例紹介ウェブサイト | https://www.toda.co.jp/news/2020/20201202_002858.html |
掲載日 | 2021年5月26日 |
【カテゴリ】
戸田建設株式会社 土木技術部
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