①概要
建設現場の安全性向上への取組みとして、現場技術者が作業場所の巡視中に、安全看板の種類の選択や現場作業員への指示書の作成を携帯端末を用いて行い、事務所に戻り、プリンターへ直接印刷できるアプリケーションを開発し、現場で活用した(図1)。
②活用方法
社内の建設現場において、本アプリケーションを使用した。物流倉庫の工事現場の巡視中に、立入禁止の場所に安全看板が設置されていない状況に対して、本アプリケーションにより速やかに安全看板を作成し、設置を行った(写真1)。さらに、現場で作成した指示書(図2)は、アプリからメールやチャットを介して、事務所にいる職員へ送信することで、現場に居ながらの看板の準備作業にも活用できた。
①特徴
従来、現場技術者は設置が必要と思われる安全看板の種類と設置場所を巡視中に記録し、事務所に戻った後にパソコンを使用して安全看板を準備していたため、失念が生じる可能性が高かった。現場でアプリケーションを操作し、安全看板の種類の選択や現場作業員への指示書の作成まで簡単に行うことができる。現場で通常必要な34種類の安全看板を共有素材として保存しており、その他、固有の看板を数に制限なく追加できる。共有の安全看板の種類は要望に応じて追加し充実させることも可能である。印刷予約に、安全看板と指示書が残っている場合は、定期的なプッシュ通知により、印刷の失念を防止できるアプリケーションを活用することで、安全な現場運営につなげることができる。
②効果
安全看板アプリケーションを効率的に用いる取組みにより、携帯端末で印刷予約した安全看板と指示書を直接、プリンターで印刷できることで利便性を向上させ、指示書作成の労働時間について約5割の削減効果を得られた。
アプリケーションから携帯端末で直接印刷を行うためには、プリンターの事前準備を行う必要がある。
①携帯端末にプリンターアプリケーションをインストールする。
②プリンターのIPアドレスを確認し、①のアプリケーションにプリンターの登録を行う
Wi-Fi環境の整った場所で、携帯端末のWi-Fi設定をONにした状態で印刷する。
【A】想定されるリスクの内容
a.無線状況により、Wi-Fiに繋がらず、プリンターへの通信が良好でない場合に携帯端末から印刷ができない恐れがある。
b.特定のメーカーのプリンターアプリケーションに限定された仕様となっているため、会社によっては携帯端末から印刷できない恐れがある。
c.新規図面登録時において、クラウドに保存している図面を使用する場合、一部のクラウドに限定された仕様となっているため、他のクラウドからは図面を登録することができない恐れがある。
【B】そのリスクに対する現場での対応策
a.パソコンでも同時使用できるWEBアプリケーションのため、印刷予約した安全看板および指示書をパソコンで印刷する。
b.印刷予約までの操作を携帯端末で行い、メールやチャットで送信した安全看板および指示書をパソコンで印刷する。
c.カメラで撮影あるいは携帯端末内のファイルに保存した図面を使用する方法により登録を行う。
社内においては印刷設定も含めたアプリケーションの使用に関する教育を行い、普及させる。他社での利用の際には、各社で使用中のプリンターおよびクラウドとも連携できるような対応を検討する。
①現場内における自己位置情報の自動取得
②各社プリンターおよびクラウドツールとの連携技術
③品質管理や作業指示の業務への応用技術]
登録番号 | 17-8 |
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活用分類 | 無人化・省力化 |
適用工事 |
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作業 | ①現場巡視中における安全看板の種類の選択および指示書作成 ②携帯端末のアプリケーションからの安全看板および指示書印刷 |
価格等 | アプリケーション利用料金:300円/月・ID |
活用実績(件数又は現場数) | 58現場(2024年3月末時点) |
特許・実用新案 | 特許:無 実用新案:無 |
当該技術所有企業 | [技術の所有権] 自社 [販売] 他社:(クェスタ(株)) |
当該事例紹介ウェブサイト | https://www.nishimatsu.co.jp/news/2024/post_103.html |
備考 | お問合せ先は以下の通りでお願いします。 西松建設株式会社 技術研究所03-3502-0247 |
掲載日 | 2024年11月 5日 |
【カテゴリ】
西松建設株式会社 技術研究所
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